SMILEメソッド

これまでABAでは様々なメソッドが開発され、

介入に利用されてきました。

DTTVBNETPRTなど、どのメソッドも

とても効果的です。

 

 

しかしABAではこれまで、

気持ちを科学的に扱うことを避けられてきました。

それは「目に見えない行動だと

考えられてきたからです。

 

 

この度、新たに弊社RISEで研究開発したメソッドは

気持ちの動きを理解することに注力しました。

気持ちの動きは、目に見える行動から

理解することが可能です。

 

 

新しいABAのメソッド、それが気持ちを動かすABA、『SMILEメソッド』です。

概要

SMILEメソッド-ABAの新しいメソッド

SKILEとは弊社RISEで開発したABAの革新的なメソッドです。

「みんなで笑顔に」をテーマに、介入される人、する人、その周りを取り巻く全ての人が笑顔になれる介入を行います。

従来のABAで度外視されてきた「気持ち」や「心」を大切にし、「やらされる」のではなく「やりたい」を引き出す介入です。

 

そのために、子供がやりたい事を尊重し、主導権を子供に与えます。

そのやりたい事の中から大人が学習機会を作り、「やりたい」を引き出しながら目標行動を習得させていきます。

あえて極端な言い方をすれば、これまで世の中全体の風潮として、大人は子どもをコントロールして従わせようとしてきたと言えるでしょう。

しかし本来子どもは、自らが自らをコントロールできるように育てられる必要があります。

やりたい事を子どもが見つけ、その中に学習機会を設ける事で、そこには笑顔が生まれ、お子さんも親御さんも「みんなで笑顔に」なれるのです。

 

 

 

SMILE

弊社RISEで研究開発した最新のABAによる介入メソッド。

これまでのABAとの相違

主導権を子供に:子供がやりたい事には学びがあふれているので、どの遊びも学習機会にし、勉強にも遊んでいる感覚を持たせます。

自我の尊重:やりたい事を主体に介入を進めます。

自我の成長が必要な場合に:DTTVBなどの反復練習で「人とのやりとり」「物事の名前」などに興味を与え高めます。

 

いつも「笑顔」「楽しい雰囲気」をベースとしたやりとりを行います:笑顔は楽しい雰囲気を生み、学習意欲を最も高めます。

適切行動も失敗も不適切行動も笑顔で対応します。

適切行動はさることながら、失敗にも不適切行動にもエラーレスで笑顔で対応するのは、相手の心を開き学習したいと自主的に思わせるためです。

そこに共感を与え納得させることで、気持を落ち着かせ、相手の言動を理解し、不適切行動を本人自らの意思で弱化します。

 

学習したいと思わせるために教える側は教わる側の常に変化する現状スキル、状態を把握することで、学習意欲とその時にできる最適な学習内容を選びます。

 

笑顔はやりとりの直接強化となるので双方にとって継続可能であり、お互いへの興味関心を高めます。

 

ロールモデルとして

子供達には心ある、思いやりのある人に成長してほしい

そのために教える側は、教えられる側の意思を尊重し、笑顔で楽しい雰囲気で、共感を与えながら、スキルや状態を把握して、学習したいと思わせ、学習が行われた事を確認する責任が有ると考えられます。

それにより教える側がロールモデルとなり、教わる側は模倣の力、自分で考える力、想像力、創作力を高め、自発性や自主性を発揮できるようになります。

一般的に言われる空気を読む力も高まります。

 

SMILEは障がいの有無、年齢に関係なく、療育から子育て、教育、研修、トレーニングなどでシームレスに介入効果が得られます。

だからこそ社会的な困難を持ったお子さんが症状を改善し、一人の人間として社会で生きるのに生涯役立つスキルを高められるのです。

 

もちろん愛情の伝え方としてもSMILEは役立ちます。

相手が受け取れる形で愛を伝える。

 

相手を理解するから、相手に理解されていると伝わり、愛されていると思われるのです。

 

 

介入方法

まずはアイコンタクトです。

自閉症スペクトラム障がいのお子さんは目が合いにくいという事が症状としてあげられますが、ここではアイコンタクトの強化が不十分なだけであると考えています。

 

お子さんが物を要求する場面を思い浮かべてください。

こちらが「どうぞ」と物を手渡した時に「ありがとう」とお子さんが言います。

そこでお子さんと目が合うまで物を手放さずにいると、「あれ?どうして離してくれないんだだろう?」とお子さんは考えます。

その瞬間に目が合います

ここまで大人は笑顔でお子さんの気づきを待ちます。

 

上記の第一段階が定着したら、他の「挨拶」にも般化します。

次は「呼びかけ」です。

その次は「共感」にも般化をしていきます。

ここまで来るとお子さんの周囲の人への興味関心はドンドン高まります

 

すると人がやっている事をマネしたくなります。

周囲の人から社会的学習を行えるようになります。

 

開発に至るまで

「みんなで笑顔に」なれる介入方法を探していました。

そのためには介入者が笑顔でいる事、そして対象者を笑顔にできる事が重要でした。

そうすると保護者、兄弟姉妹、祖父母、友人と、対象者をとりまく周囲の方々も笑顔になりました。

家族、親族、保育園、幼稚園、学校、通常級、支援級、会社、地域、社会、どのコミュニティーからも理解と納得が得られて笑顔を生み出せる方法それがSMILEです。

 

この介入方法をお伝えすると、保護者の方々から「職場でも同じ事が必要とされている」と多くの声を頂きました。

大人の社会では当然、笑顔や楽しい雰囲気が教育に必要だとされています。

これをベースにしている職場は作業効率、イノベーション、安全性などが高く、充足感も得られます。

これをベースに育った方は、昨今特に問題として上がるブラック企業やハラスメント、虐待などの異常にも気がつき、対応する力が高められます

 

この新しいABAのメソッドSMILEを多くの方々に役立てて頂きたいと思います。

 

 

そのものが楽しくなるように

スキルの練習には好子(好きな事や物)が大事。

特に幼少期のお子さんや初めての事、苦手な事にチャレンジするお子さんにとって、練習の後に得られる好きな事は、次もまた頑張ろう!というモチベーションの向上や維持に不可欠です。

どのような好子を使うかはお子さんの興味や関心、年齢、発達段階などをもとに適切なものが選定されます。

アイコンタクト、褒め言葉、高いたかい、お菓子、トークンなど様々な好子があります。

自分ひとりでできる事が増えてきたら、人から好子を得るのではなく、達成感や満足感などの内的な強化も積極的に取り入れます。

それによって自発的な行動が見られるようになり、自立した行動が増やせます。

スモールステップ 

一つひとつの課題は分かりやすいように細分化されます。

その細分化された課題はステップバイステップで教えられるので、難しい課題でも、やさしいステップバイステップで少しずつ学べます。

 

例えば手を洗う事をステップバイステップにすると、

ステップ1:洗面所で水を出す

ステップ2:手を濡らす

ステップ3:石けんをつける

ステップ4:手についた石けんを流す

ステップ5:水を止める

ステップ6:タオルで手を拭く

 

ステップ1から6まで一気にできるようにならなくていいんです。

今日はステップ1が一人でできるように練習、できたらその後のステップはセラピストと一緒に練習。

最後までできたら、

おやつを食べにテーブルへGO

明日はステップ2まで一人でできるように練習しよう!

と言った感じです。

ペアレント トレーニングで、身につけた事はいつでもどこでもできるように

 

行動の般化(応用)や強化には必ずご家族のご協力を頂きます。

ペアレント トレーニングで丁寧に練習を重ねていきます。

子ども達にとって、毎日一番多くの時間を一緒に過ごすご家族からの強化は、日常生活への行動の般化に最も強力なものです。

ただ知識やスキルを詰め込むだけでは生活は豊かになりません。

セラピー中にできるようになった事は、日常生活の中できるようになって初めて活かされます。

ABAとは

ABA(Applied Behavior Analysis=応用行動分析)はB.F.スキナーによって開発された行動介入の科学的なアプローチです。

 

行動介入では、環境を変化させて行動を変化させます。

 

環境の変化によって好ましい行動を増やし(強化)、好ましくない行動は減らし(弱化)ます。

DTT (Discreat Traial Training=断続試行トレーニング)

同じ事を繰り返し練習する方法です。

始めての事を学ぶときに特に有効です。

 

VBVerbal Behavior=言語行動トレーニング)

言語の習得に重点を置いたトレーニング方法です。

 

NET (Natural Environment Training=自然環境トレーニング)

普段の生活を利用したトレーニングです。

例えば、繰り返し練習して言えるようになった「おはよう」を今度は人に合った時に言えるようにする練習です。

 

PRT (Pivotal Response Training=基軸行動トレーニング)

複数の領域に影響を及ぼす行動の強化。

例えば、アイコンタクトは社会性、言語、認知など多岐に渡って影響のある行動です。

そのアイコンタクトを反復練習時、普段の生活、遊びの時など様々な機会で強化していく事でより効果的に学習が行えます。

その他、弊社で研究開発を行っている最新の介入方法も積極的に利用させていただいております。